若者の価値観や思考は35歳以上の人にとっては理解しにくいと私は感じています。その背後には急速に進んだ情報機器の進化と通信伝達の速さがあります。子どもの発達に与える影響は無視できません。時系列を追いながら説明していきます。
1999年 – 2007年
インターネットが使えるようになり、パソコンが一般家庭にも普及しました。E-mailによって伝達手段が変わり、Google検索やWikipediaによって知識獲得の方法が増え、WordとExcelによって書類作成がデジタル化しました。
携帯電話を一人一台持つようになったのもこの頃です。家族や友達とすぐに連絡が取れるようになり、予定の調整が柔軟になりました。待ち合わせの場所や時間を事前に決めて守らなくても何とかなるようになりました。
娯楽の対象はテレビでした。1時間のドラマを見たり、2時間の映画を見るのは普通でした。
2007年 – 2017年
2007年にスマートフォンが発売され、ユビキタス社会が実現しました。スマートフォンは携帯電話とパソコンの両方の機能を持つため、個人でパソコンを購入する必要性が少なくなりました。この頃から、パソコンを使ったことのない若者が増えてきます。
情報サービスも大きな変化がありました。Amazonのようなネットショップで購入するのが一般的になり、U-NEXTのようなサブスク契約が徐々に普及し、SNSが普及して知識獲得の方法が多様化するようになりました。
テレビに代わる娯楽の対象として、YouTubeやニコニコ動画が普及しました。動画の時間は5~20分程度で、1時間あれば3~10個程度の動画を見ることができました。
2010年に15歳だった人は1995年生まれ、今現在は30歳です。この時期に中高生だった人は21~34歳ぐらいの年齢です。ゆとり世代と時期が概ね一致します。
2017年 – 2023年
2017年にTikTokがサービス開始されました。ショート動画の登場により、エンターテイメント(エンタメ)が高速化しました。スマホのデータ通信量をあまり気にする必要がなくなったため、インスタのような写真中心のSNSも使いやすくなりました。娯楽の対象がショート動画やSNSになりました。
ショート動画はスワイプすると次の動画を見ることができます。若者はショート動画を10秒見て、面白ければ続きを見て、面白くなければスワイプします。面白くなるまで数分待ってみるというのは古い価値観となりました。
SNSの利用目的も変化してきました。元々は知識獲得や情報交換の意味合いが強かったのですが、娯楽や承認欲求が主な目的となってきています。蛇足ですが、承認欲求が実生活で満たされていない若者が多いというのは社会的な問題だと感じます。
2020年に15歳だった人は2005年生まれ、今現在は20歳です。この時期に中高生だった人は15~24歳ぐらいの年齢です。Z世代と時期が概ね一致します。
2023年 – 現在
2022年末にChatGPTがサービス開始されました。AIに調査させ、思考させ、結論を出させる。その結果として人間の思考がどのように変化するかを考えてみてほしいと思います。
まとめ
私たちの思考や行動は物理的あるいは社会的な制約を受けています。昔と比べて今は、通信伝達がとにかく速く、情報量が膨大に増えています。高度に情報化された社会が子どもの発達にどのような影響を与えるのか考えることで、若者の価値観や思考を理解して受け入れやすくなると思います。